子宮頸癌ワクチンの副作用がマスコミ等で取り立たされたこともあり、欧米諸国と比較して日本での子宮頸癌ワクチンの接種は未だ遅れています。
子宮頸癌はワクチンである程度予防することができる数少ない悪性腫瘍です。
WHO(世界保健機関)は15歳までに90%の女性がHPVワクチンを接種すべきであると推奨しています。
副作用の心配もあり自分やお子様にワクチンを打つべきかお悩みの方は多いと思います。
そんな方向けに子宮頸癌および子宮頸癌ワクチンについて簡単にご紹介します。
結論として自分は子供に接種の時期が来たらワクチンを打たせたいと思っています。
子宮頸癌とは
子宮頸癌は子宮頸部という子宮の入り口にできる悪性腫瘍(いわゆる「がん」)です。
日本では毎年約1.1万人の女性が子宮頸癌にかかり、約2,900人の女性が子宮頸癌で亡くなっています。
30歳以上の女性が多く罹患し、子育て中の母親に発症することから「マザーキラー」という恐ろしい異名もあります。
日本では25-40歳の女性の癌による死亡の第2位は子宮頸癌によるものです。
早期に発見されれば妊孕性を温存した治療で治ることもあります。
しかし進行してしまうと手術で子宮や附属器の摘出や抗がん剤による治療が必要になってしまったり死に至ることもある怖い病気です。
子宮頸癌の原因
子宮頸癌の原因の多くはHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染している状態が長期間続くことです。
HPVはヒトからヒトに性交渉でうつるため、性交渉歴がある全ての女性に子宮頸癌のリスクがあるといえます。
子宮頸癌ワクチンについて
2023年から公費接種対象となっている「シルガード9」というワクチンでは9種類のHPVへの感染を予防できます。
これによって子宮頸癌の原因となるHPVウイルスのうち80-90%程度を予防できるといわれています。
子宮頸癌のワクチンの副作用
シルガード9の添付文書から引用したワクチンの副作用です。
注射を打った部位の痛みや腫れなどが比較的頻度が高いですが、一時的なものであり数日で良くなります。
また生活に支障が出るような重い健康被害の可能性もゼロではありませんが、頻度は極めて稀でありワクチン接種を行うメリットの方が多いと思います。
まとめ
最終的にはワクチンの効果と副作用を天秤にとって個人で接種を行うか決める必要がありますが、個人的にはメリットの方が多く接種を強くお勧めします。
また子宮頸癌のワクチンを打ったとしても100%予防できるわけではありません。
20歳以上の方は定期的に子宮頸癌検診を受けましょう。