1週間くらいブログの更新が途絶えてしまいましが、私自身が風邪を引いていました。
「子供から風邪をもらうとひどくなる」
とよく言いますが、8ヶ月の子供からもらった風邪は想像以上に厄介でした。
痰がらみの咳がだいぶ長引いたので、検査はしてませんがRSウイルスとかだったのかもしれません。
今回は子供の風邪が治ったタイミングだったのでまだマシですが、同時に具合が悪くなると本当に大変です。
今回は内科医の私自身が自分でも使う風邪薬、使わない風邪薬について厳選して紹介します。
症状改善のエビデンス(根拠)があるものだけでなく個人的な使用感も踏まえてお伝えしようと思います。
(患者様に処方する時も同じような考えで処方しています)
あくまで一個人の意見として参考程度にしていただければと思います。
薬は薬局で購入できるものと、医師による処方が必要なものがあるので注意してください。
また子供の風邪薬となるとまた少し見解が変わるので、今回は割愛します。
(ちなみに医師は自分に処方ができないので、同僚に処方してもらうことが多いです)
また風邪の診断については長くなりそうなのでこの記事では触れません。
内科医の私が使う風邪薬
個人的に不要な薬は副作用などの観点から避けるべきと思っています。
特に風邪は薬の力で治すのではなく自分の免疫の力で治すものなので、できるだけ薬は飲まないようにしています。
しかし解熱・鎮痛薬だけは症状改善の効果が分かりやすく、風邪を引いても仕事をしなければならない時によく使います。
解熱・鎮痛薬以外はあまり自分では使いませんが、どうしても症状がひどい時にはその他の薬を使うこともあります。
解熱鎮痛薬
アセトアミノフェン(カロナール) 解熱鎮痛薬
よく使われる解熱・鎮痛薬ですが、副作用の心配が少なくのでしばしば使います。
解熱効果としては体温を1-2℃下げる程度ですが、体感としてだいぶ楽になります。
喉の痛みや頭痛に対しての痛み止めとしての効果は私自身の体感ではかなり弱いです。
特によく処方されるアセトアミノフェン200mgを2錠という内服では痛みにはあまり効きません。
添付文書に書かれている上限の500mgの大粒を2錠使って、ようやく少し痛みを抑えてくれる程度な印象です。(医師の処方が必要です)
そのため喉の痛み止めや頭痛がひどい時には下に紹介するロキソニンを内服します。
ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン)解熱鎮痛薬
こちらもよく使われる解熱・鎮痛薬ですが、注意点は胃を荒らしてしまうことです。
そのため熱を下げる目的であれば上記のカロナールを使い、喉の痛みや頭痛がひどい場合のみに使うようにしています。
また数日以上飲み続ける必要があれば、必ずPPIという種類の強い胃薬を併用します。
(よく使用されるレバミピドという薬剤は胃潰瘍予防に十分は効果がありません)
咳がひどい時
デキストロメトルファン(メジコン) 咳を抑える薬
咳止めとしては多くの薬剤がありますが、個人的によく使う薬がメジコン。
理由としては副作用が少なく、咳を抑える効果がそこそこ強いからです。
咳止めはどの薬を使っても咳をゼロにすることはできず、少し咳の回数を減らせる程度の効果しかありません。
そのため個人的には仕事の日でどうしても咳を少しでも抑えたいという時だけ使います。
処方薬ではリン酸コデインという効果がもう少し強い薬もありますが、便秘やめまいなどの副作用があるので自分では使いません。
慢性的な咳で困っている患者さんには処方することがありますが、副作用の便秘で中断してしまう人の方が多い印象です。
鼻水がひどい時
小青竜湯 鼻汁を抑える薬
鼻水は基本的には即効性のある薬がなく、よくなるのを待つしかない印象です。
しかし鼻汁が多すぎで仕事にならない時にはこの小青竜湯を使います。
(飲んでも大抵鼻水はそこそこ出ます)
風邪の鼻水に対してはアレルギーの薬が処方されることが多いですが、症状改善のエビデンスが乏しいことから私は使いません。
この小青竜湯という漢方薬もエビデンスがしっかりとあるものではないですが、アレルギー薬よりは効果があると感じます。
薬以外で効果を感じるもの
ハチミツ
ハチミツは咳や喉の痛みに対して効果がありそうという研究が複数あります。
自分で使用してみた感じでも、咳や喉の痛みを少し和らげてくれる感じがしました。
注意点は甘いので虫歯や糖尿病がある方は控えた方が良いかもしれません。
またハチミツは高価なので、少し購入にためらってしまいます。
内科医の私が使用しない風邪薬
いわゆる風邪薬と呼ばれるもの(総合感冒薬)
具体的な薬品名は避けますが、よく「咳・喉・鼻に」
などと宣伝されているものです。
病院などで処方される○○顆粒といったものも似たようなものになります。
使用しない一番の理由は多数の有効成分が含まれている中で、ほとんどの薬に眠気を引き起こすアレルギー症状を抑える成分が入っていることです。
そのため運転は禁止であり、ふらつきのリスクもあります。
その他にも有効成分が多いこともあり便秘になりやすくなったり、血圧が上がってしまう成分など多くの副作用の恐れがあります。
そういった理由からいわゆる市販で売られている「風邪薬」といったものは購入しません。
購入とするとすれば上記に紹介したような成分が限定されているものの方がおすすめです。
まとめ
個人的にも使用する風邪薬を厳選して紹介しました。
ここに紹介させていただいたのであくまで個人的な意見なので、参考程度にしていただければと思います。
他にもこの風邪薬はどうなの?という疑問がある方がいればぜひコメントください。
個人的な意見にはなりますがお返事します。