ダイエットをしてもなかなか痩せなくてお困りの方は多いと思います。
お腹周りの内臓脂肪は糖尿病や高血圧症、脂質異常症、動脈硬化といった様々なリスクがあリます。
今回は2024年4月8日に新たに発売予定の内臓脂肪減少薬であるアライ(オルリスタット)について解説します。
肥満の治療薬(内臓脂肪減少薬)とされており肥満症の治療薬とは異なり、糖尿病や高血圧、脂質異常症等と診断されている方が治療目的に使用することはできません。
肥満に伴う高血圧や糖尿病等の健康障害を予防するための薬です。
この記事では
- 本当に効果がある?
- 危険な薬ではない?
- 飲む際の注意点や副作用は?
- 購入のための条件は?
といったことについて簡単に説明します。
アライの有効成分オルリスタットとは
簡単にいうと食事でとった脂肪を体内に吸収せずに便で出してしまおうという薬です。
脂肪は膵臓から出るリパーゼという酵素で分解されて小腸から吸収されます。
オルリスタットはそのリパーゼの働きを阻害することで、吸収されなかった脂肪が分解されず便として排泄されることでやせる効果があります。
アライの服用回数は1日3回、1回1カプセルとなります。
また他の肥満症治療薬と違い食欲は抑えないという特徴もあります。
欧米では以前から市販薬として入手できるようになっており、日本でも個人輸入等で使用されている方がいましたが今回はついに日本での発売となります。
アライの効果は
発売前の日本人のデータでは1年間で平均で腹囲が4.7%減るという効果が得られています。
日本人では体重減少のデータはまだないようですが、海外ではプラセボと比較して半年後に2.6kg、1年後に2.9kg体重が減少したという結果もあります。
アライの副作用は
一番知っておくべき副作用は
- 油のようなベタベタな便が出る
- おならをした時に、便が出てしまうことがある
肛門は便と油の区別が難しいため薬の作用から考えると致し方ないと思います。
臨床試験では41%という高い確率で消化器症状(便を伴うおなら、油の漏れ、下痢、腹痛など)を認めています。
対策として服用中はおむつやパッドの使用などが勧められています。
また服用中に高脂肪食をとっているとより副作用のリスクが高いので、服用中は油っぽいものを控えると副作用を抑えることができます。
また肝機能障害や皮膚障害などの副作用も少数ですが報告があります。
また他の薬剤と同じでアナフィラキシーなどの重篤なアレルギーの可能性はゼロではありません。
アライの注意点
アライはあくまで減量の補助のための薬剤です。
飲むことに加えて適切な食事や運動を行うことでより効果が得られるものですので、薬を飲めば終わりというものではありません。
また具体的なデータはありませんが、アライの作用機序から考えると脂溶性ビタミンの吸収が落ちてしまいます。
具体的にはビタミンD、A、K、Eといったものです。そのため海外ではビタミンのサプリを同時に内服することもあるようです。
現時点ではどのくらいのビタミンの内服が必要なデータはありません。
アライはどこで買える?
アライは研修を受けた薬剤師が対面で販売を行う必要があります。
副作用などを考えるとオンラインで買えないのは妥当でしょう。
購入するための条件は
- 18歳以上
- 腹囲の測定 男性85cm 女性90cm以上
- 服用の3ヶ月前から生活習慣の改善を行なっている
- 高血圧や糖尿病等がない
といったものがあります。
また6ヶ月間内服して効果がなければ中止をする必要があります。
まとめ
世の中では効果の不明なサプリや矯正器具等ありますが、今回発売されたアライはそういったものとは違い効果はしっかりと期待できると思います。
しかし便の性状等も含めて副作用を理解できる方が、薬剤師と相談して最終的に内服を行うか決めるといいと思います。
個人的には便の副作用を受け入れられる方は使ってみても良いと思います。
(食事や運動習慣の改善ができることが前提ですが)
またアライは痩せた方が美容目的に使用してはいけません。健康被害のリスクとなるので、適応のない方の服用はやめましょう。