胃酸が上がってくる感じがある、胸焼けがするという症状はありませんか?
多少であれば誰しも食べすぎた後などには感じることがあると思いますが、症状を繰り返す場合には逆流性食道炎の症状かもしれません。
逆流性食道炎は放置してしまうと食道癌のリスクとなると言われており注意が必要です。
この記事では逆流性食道炎について、気をつける症状や治療について簡単にまとめます。
逆流性食道炎とは
胃酸が食道に逆流することによって、食道の粘膜が障害を受け起こる病気です。
人口の1.5-7%でみられるといわれており、50歳以上では歳を重ねるともに頻度が徐々に増加していきます。
逆流性食道炎の症状のチェック
胸焼け、胃酸の逆流している感じが一般的な症状です。
またゲップが多く出たり、咳、胸の痛み、喉の痛みを感じる方もいます。
高齢者では食欲低下、嘔吐、貧血の進行などで見つかることもあります。
逆流性食道炎の原因は?
高脂肪食、加齢、肥満、骨粗鬆症による円背、薬の副作用などが原因となることが多いです。
また若年者でも激しい運動や筋力トレーニングで胃酸の逆流を引き起こすことがあります
胃食道逆流症の診断
胃食道逆流症の診断には一般的に上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)が行われます。
胃食道逆流症の症状があっても胃カメラで異常がみられないNERDという病気もあります。(治療は胃食道逆流症とほとんど同じです)
また胃カメラに抵抗がある方は、治療薬を1〜4週間程度続けてみて効果があればGERDと診断するという方法もあります。(若年で癌などの病気のリスクが高い方に限ります)
逆流性食道炎の治療
生活習慣の改善
生活習慣の改善で有効性が示されているものに下記のものがあります。
- 肥満の方は減量する
- 喫煙者は禁煙する
- 遅い時間の夕食を回避する
- 就寝中に頭部を少し持ち上げる
- 食後は3時間以上横にならない
薬物療法
胃食道逆流症の薬物治療としては胃酸を抑えるPPI(Proton Pump Inhibitor)、P-cab(Potassium-competitive acid blocker)といった薬剤が用いられます。
P-cabの方がPPIより胃酸の分泌を強力に抑えます。
基本的にはPPIを8週間続けることが標準的な治療ですが、重症な場合には初期からP-cabを用いることもあります。
内視鏡治療、手術療法
上記の生活指導や薬物治療で改善が得られない場合には考慮されます。
一般的には内服治療でほとんどの方がコントロール可能です。
まとめ
胃食道逆流症について簡単にお話ししました。
胃酸が上がってくる等の症状がある方は医療機関への受診をお勧めします。