内科医ゆらの育児ブログ

育児や知育に役立つ情報をつぶやきます

ロキソニンを定期的に飲んでいませんか?

頭痛や腰痛、生理痛などロキソニンを定期的に飲まれている方も多いかと思います。

確かに市販でも買える痛み止めとしてはかなり効果が高く、服用してから30分程度で効果が得られるため使いやすい薬ではあります。

しかしロキソニンを含むNSAIDsという薬剤には胃潰瘍や十二指腸潰瘍のリスクがあります。

胃潰瘍の原因として有名なものにピロリ菌の感染がありますが、NSAIDsを内服しているとピロリ菌に感染しているのと同等程度のリスクがあるといわれています。

この記事ではロキソニンを飲んでいる方の注意点、胃薬を併用した方が良いかということを日本消化器学会ガイドラインに則してお話しします。

 

結論としてはロキソニンなどのNSAIDsに分類される薬剤を1週間以上継続して飲む必要がある方は

といった選択肢を考える必要があります。

 

海外の結果ですが

胃十二指腸潰瘍のリスクはNSAIDs内服がなくピロリ菌感染していない方と比較して、NSAIDs内服していると19倍、さらにピロリ菌にも感染していると61倍にもリスクが上がると言われています。

Role of Helicobacter pylori infection and non-steroidal anti-inflammatory drugs in peptic-ulcer disease: a meta-analysis
Lancet 2002 Jan 5;359(9300):14-22. doi: 10.1016/S0140-6736(02)07273-2

 

具体的な数字としては1 週間以上NSAIDs 投与による 胃十二指腸潰瘍の発生率は胃潰瘍が 14.2%、十二指腸潰瘍が 5.4%という研究があります。

 

NSAIDsによる潰瘍を防ぐ手段として、セレコキシブ(COX2選択的NSAIDs)というNSAIDsによる胃十二指腸潰瘍の副作用を減らすために開発された薬があります。

使用感として即効性や痛み止めの強さとしては若干ロキソニンに劣りますが、非選択的NSAIDs(ロキソニンなど)と比較して胃十二指腸潰瘍などを減らすことがわかっています。

celecoxib may have reduced risk of clinically significant gastrointestinal events compared with nonselective NSAIDs 
Am J Gastroenterol 2013 Mar;108(3):392

 


ロキソニンをどうしても飲み続けたい方は胃薬も一緒に飲むという選択肢もあります。

具体的にはPPIプロトンポンプインヒビター)という種類の薬がお勧めです。

胃や十二指腸からの出血の予防効果がH2ブロッカーやPG製剤といった別の種類の胃薬に比べて優れているという研究があり、日本消化器病学会でもPPIの使用を推奨しています。