子供は転んでよく頭をぶつけます。
娘も1人座りを始めたあたりから、数えきれないほど頭をぶつけてきたと思います。
先日子供の頭部打撲に関するショックなニュースを見かけました。
記事だけでは細かい状況が分からないので、この記事だけでは教員の判断が100% 間違っていたと断定はできません。
ですが「学校内で頭をぶつけた後に嘔吐してしまった」という状況だけを聞いてもすぐに受診を促すべきだったのではと思います。
娘もそうですが子供が頭を打ってしまうことは多いですが、重症になることは稀です。
しかし今回のニュースの場合のように時に命の危険となることもあるのが事実です。
今回は子供が頭をぶつけた際の対応や注意事項について、ガイドライン等を参照しながら簡単にまとめてみます。
- 頭をぶつけた後のこんな症状には要注意
- 頭をぶつけた後に自宅で様子を見ても大丈夫?
- 頭をぶつけた後に病院を受診しても100%安心ではない
- 子供の頭部打撲後のCT撮影基準について
- 子供にCTを撮って被爆は大丈夫?癌になる?
- まとめ
頭をぶつけた後のこんな症状には要注意
次のような場合にはすぐに救急車で病院へ受診が必要です。
- 反応がない、普段と違って様子がおかしい
- けいれんを起こした
- 頭からの出血が止まらない
また以下のような場合にも早めに病院へ受診した方が良いです。
- 何度も吐いてしまう
- 頭の形が変形している
- 大きなたんこぶがある
- 顔色が悪い
- 頭の痛がり方が強い
- ぼーっとしている
- 高所からの落下(2歳以上では150cm、2歳未満では90cm)
- 交通事故など高速の物体と衝突
頭をぶつけた後に自宅で様子を見ても大丈夫?
上記のような危険な兆候が一切なく、
- 頭をぶつけた後も普段通りに元気で食事も取れる
- 頭を打った後に泣いてもすぐに泣き止んだ
という場合には自宅で様子をみることも可能と考えます。
しかし頭を打ってから24時間以内は、上記のような危険な症状が出ていないかを注意して慎重に様子を見る必要があります。
受診を迷うようであれば、病院へ受診することがオススメです。
頭をぶつけた後に病院を受診しても100%安心ではない
頭をぶつけた後に医師の診察を受けて「大丈夫」といわれても100%安心というわけではありません。
頭をぶつけた後に頭の中で起きたわずかな出血が、じわじわ時間をかけて広がってきて徐々に症状が出てくることもあります。
医師はその時の状況を見て検査をするか、様子をみるかどうかの判断を行います。
受診後に上記のような危険な症状が出た際には、一度見てもらったから大丈夫と思わずに再度受診をするようにしましょう。
子供の頭部打撲後のCT撮影基準について
頭部打撲をした際に頭部CT検査を行うことで頭蓋内の出血や血腫、骨折などの診断を行うことができます。
しかし前にも触れたようにわずかな骨折や微小な出血では診断が困難なこともあり、CTでも100%の診断はできないことには注意が必要です。
頭をぶつけたお子さんに頭部CTを撮影するかどうかというのは、大まかなコンセンサスはあるものの細かいところはガイドライン等によって異なります。
個人的によく使っているのは米国のPECARN(Pediatric Emergency Care Applied Research Network)です。
頭部CTを撮影するかどうかに保護者の要望が入っているというところが興味深いです。
お子さんの診療においては保護者の「なんとなく心配」という勘が当たることが多々あります。
また訴訟大国であるアメリカでは特に、保護者の要望があったのにCTの撮影をしないと万が一の時に訴えられるかもしれないという事情もあるかもしれません。
子供にCTを撮って被爆は大丈夫?癌になる?
CT検査を行うと被爆によってごくわずかですが、将来に悪性腫瘍を発生するリスクがあると言われています。
しかしCT撮影が必要な場合には被曝のリスクよりも検査を行うメリットの方が多いと判断して行うことになります。
まとめ
子供はよく頭をぶつけるので、頭をぶつけた際に病院へ受診するかどうか迷うことは多いと思います。
この記事がそういった際の参考になれば幸いです。